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耐圧性能を大幅に向上 SGOINT®向け新モデル開発

2019年10月30日

CNT複合材料研究拠点(TACC)はCNTを用いたフッ素ゴムOリングを開発し、サンアロー株式会社はこれを2018年10月より「SGOINT®」の名称で発売しました(長寿命・高耐熱・高耐圧Oリングを開発、販売開始へ)。このOリングは日本ゼオン株式会社が製造するスーパーグロース法単層カーボンナノチューブ(SGCNT)をフィラーとして使用し、高温高耐圧、導電性を必要とする分野で採用されています。

TACCでは、さらなる市場の要求に応えるため、SGOINT®開発で得た圧縮永久ひずみ*1を向上させる配合技術や製造ノウハウを元に、低温用途向けや水蒸気耐性の向上などにも取り組んでおり、これら成果の一部はサンアロー株式会社のSGOINT®ラインナップ拡充に向けた活動へ活かされています。

開発例の一つとして、図1にシール部材の耐圧性能(寿命)の目安として圧縮永久ひずみと共に指標とされる圧縮応力緩和特性(CSR)*2を向上させたモデルの、高温圧縮下での試験結果をご紹介します。この図は、シール性能が失われる目安となる初期荷重比0.2に達する時間(寿命)を示したもので、CSR向上モデルは同じ過酸化物(PO)架橋フッ素ゴムの一般的な配合に比べて約2.7倍まで寿命を伸ばすことに成功しました。

フッ素ゴムはシール寿命と耐熱性に優れるポリオール架橋系と、酸・塩基耐性に優れるPO架橋系に大きく分かれており、今回のCSR向上モデルはPO架橋系でありながらポリオール架橋系を凌ぐ結果が得られており、CNTの添加による高強度化と併せて適用範囲の拡大が期待できると考えます。

本CSR向上モデルを元に、サンアロー株式会社はSGOINT®の新グレードを2020年春ごろ販売予定です。

 

用語

*1:圧縮永久ひずみ -JIS K6262

  ゴム試験片を圧縮し、一定時間後に開放した時の厚み回復量から永久ひずみ量を評価する手法。簡易的なシール性能評価として広く用いられている。

*2:圧縮応力緩和特性(Compression Stress Relaxation, CSR) -JIS K6263

  ゴム試験片を圧縮し、応力の減少割合からシール性能の経時変化を評価する手法。圧送が必要な配管など圧力下での反発力が重要となる用途に向く。

 

CNT複合材料研究拠点(TACC)「お知らせ」 

耐圧性能を大幅に向上 SGOINT®向け新モデル開発