キャパシタプロジェクトの成果

平成18年度から平成22年度にわたって、NEDO委託事業であるナノテクノロジープログラム「カーボンナノチューブキャパシタ開発プロジェクト」において、日本ゼオン株式会社と共同で、スーパーグロース・カーボンナノチューブ(CNT)の工業的量産を実現するために基盤となる量産技術を研究・開発しまし た。

スーパーグロース法およびこれまで中・小型合成装置で積み重ねられた知見をコア技術とし、工業的大量生産に向けた単層CNTの低コスト製造技術を検討する中で、多くの成果が得られました。

触媒組成の検討・プロセス最適化

基板に触媒を担持させる方法として、これまでのスパッタリング等のドライプロセスに代わり、基板に金属塩溶液を塗布するウェットプロセスを開発しました。このウェットプロセスは安価で、連続化・大面積化に適した方法です。

金属基板上での単層カーボンナノチューブフォレスト合成

これまで使用していた高価なシリコン基板に代わり、化学気相成長(CVD)合成法に耐えうる安価な金属基板の探索・検討を重ねた結果、特定のニッケル合金上での単層CNTフォレスト合成に成功しました。

中型全自動合成装置の構築

中型全自動合成装置では、全自動で連続100回合成を達成しました。そして全自動合成装置の技術課題を明らかにし、大型全自動合成装置開発へのフィードバックを行いました。

大面積スーパーグロース合成炉によるA4金属基板上での合成成功

中・小型合成炉で得られた知見をもとに、ガス供給の均一性などを検討し、大面積スーパーグロース合成炉を設計、試作しました。この合成炉で、金属基板とウェットプロセスで形成した触媒を用いて、A4サイズの均一な単層CNTフォレストを合成することに成功し、約10分間で、A4基板1枚あたりグラム単位の収量を達成しました。
このフォレストは、従来のスーパーグロース法で作製したフォレストとほぼ同等の特性を持っており、高成長効率(mm単位の長さ)、高純度(炭素純度99%以上)、高比表面積(非開口で1000m2/g以上)を示しました。

大面積スーパーグロース合成炉
大面積スーパーグロース合成炉
A4サイズ単層CNTフォレスト
大面積(A4)単層CNTフォレスト

連続合成技術の構築

さらなる生産性向上を目指し、CNT連続合成装置を設計・製作しました。これにより基板をメッシュベルトに乗せるだけで、CNT合成を連続的に行うことのできる技術を確立し、一日当たり25グラムのCNT合成を達成しました。

ナノチューブ連続合成装置
CNT連続合成装置

本プロジェクトで構築した技術を基礎とし、単層CNTの工業的大量生産に向けて、スーパーグロース法をコア技術とした、経済的な単層CNT大量合成技術開発を行っていきます。