日々これ研究

日本の課題と処方箋

2018年4月19日

今の時代、かつてなく戦略というものが必要になっているように感じています。科学技術やインターネットの発達により、必要とあれば世の中のありとあらゆるリソースにアクセスして持ってくることが可能になっているからでしょう。つまり、そのような非常に大きな自由度の中で物事を進めていくためには戦略というものが大事になるということです。

戦略というものは、基本的には何らかの課題を解決するために作ってゆくことが多い訳ですが、日本が抱える最大の課題の一つが少子高齢化でしょう。世界史の中で人口が自然減する初めての国に日本がなるそうです。人類が経験したことのない未曽有の危機が日本に迫っていると言えるかもしれません。この少子高齢化に伴って様々な社会問題がにわかに顕著になっています。この数年で労働人口の不足が様々な産業の律速になり始めていることは数々の報道から明らかです。昔から医療費の増大によって財政破綻が起こる、ということも言われていました。そして、高齢者が増えるということで、年金制度の破綻や高齢者の健康や生きがいの維持ということも社会問題になってきています。

さて、とある戦略を立てることに非常に長けている方のお話を聞く機会がありました。この方は、今の日本の課題を一気に解くようなソリューションを示してくださったのですが、その内容が、おぉなるほどとまさに目から鱗でした。それは定年制の廃止プラス年功序列の廃止です。この両方の廃止です。片方だけでは解決策になりません。それは、人がその能力に合わせて働き、企業がその人の能力に応じた給与を支払うようになるということです。六十、七十になる頃には若い頃と同じ様には働けないので、その時にできる仕事をやって、その仕事に見合った給料をもらい、逆に若い人はどんどん大きな仕事をして高い給料をもらうということです。つまり、全ての企業がプロ野球の選手を抱えるような会社になっていくということです。

人間にとって最も大きな生きがいは働くということで、働いているとより健康であるという調査結果もあるそうで、つまり、年を取ったら引退して、老け込んで病気になる、ということではなくて、身の丈にあった仕事で収入を得て、健康を維持して、場合によっては年金を受け取るのではなく納税するということです。そして、このような働き方が労働不足の解消にも一役買うのです。おぉ、日本の課題を一挙に解決できるんだ、これがまさに戦略だと感心したのです。ちなみに、この方はこういった戦略の実現を国に働きかけていてもいます。本当は国がこのような戦略を考えて実施しなくてはいけないのに、それができないのが今の日本の最大の課題かもしれません。

畠 賢治